年頭のご挨拶

2023年1月4日

石川 肇

新年、あけましておめでとうございます。

年頭にあたり、ご挨拶をさせていただきます。

 

昨年は、コロナパンデミックやロシアのウクライナ侵攻など、世界情勢は不安定な状況下にあり、私たちにとっては、気が置けない毎日であったように思います。リウマチセンターにおいては、コロナ対策に振り回された時もありましたが、一人一人の感染予防に向けた心がけと努力により、院内クラスターを生じずに感染は防がれてきました。

今年は、コロナ第8波は収束に向かい、アフターコロナ、様々な規制が緩和され、ニューノーマルの中で、やりたいことができる1年になることを強く願っております。

 

さて、年頭にあたりリウマチセンターのこれからの役割と方向性について、私の方からあらためて確認し、お話させていただきたいと思います。

 

まず、第一にリウマチ患者さんのために最上の治療とケアをこれまでどおり継続して提供していきます。現在、当院のリウマチ患者さんは3800名ほどで、県内リウマチ患者さんの約4人に1人が通院しておられます。その方々に対して、大学病院など他の医療機関ではできない多職種連携によるチーム医療、トータルマネジメントを継続して施していくことです。

昨年、10月にアルビレックス新潟J2優勝、J1昇格のうれしいニュースの中で、第50回日本関節病学会を朱鷺メッセで開催させていただきました。3年ぶりの対面式ということで全国から約330名の参加者があり、その多くの方々から「もし、自分あるいは身内がリウマチという病気になったら、是非新潟のリウマチセンターで診てもらいたい。」とのお褒めのお言葉をいただき、大変ありがたく思いました。

 

第二は、リウマチ専門病院として、その実績と経験を積み重ね、国内外に向けて情報発信と啓発活動を行っていきます。この3年間はコロナの影響でパソコンに向かって話すことばかりで味気なく、十分な活動ができないままでした。

これからは、リウマチ患者さんだけでなく、他の医療機関のスタッフの方々、地域住民に対して、講演会、研究会および市民公開講座などを通じて、啓発・情報発信活動をフェイスtoフェイスで復活していきたいと考えています。

 

第三は、リウマチの学術研究、リサーチを推進していきます。ドクターだけでなく、多くのスタッフの皆さまに、リウマチに興味を持っていただき、自己研鑽を積み上げ、リサーチマインドを持って仕事をすることで、専門職としてのスキルアップ、レベルアップを図っていただきたいと思います。

 

そして最後に、入院患者さんの確保に努め、特に回復期リハビリ病棟を回復していくことです。リウマチのトータルマネジメントの4本柱のひとつにリハビリテーションがあります。経営面でリウマチ医療を支え、患者さんにリハビリマインドを持って接し、ケアを施していくうえで、リハビリ病棟を欠くことはできません。当センターならではのメリットを生かし、新発田病院だけでなく下越医療圏のドクターからの紹介による回復期のリハビリテーションを提供していきたいと思います。

 

今年9月に朱鷺メッセで第52回日本リウマチの外科学会の開催を予定しています。海外からドクターを新潟に招聘し、将来の日本におけるリウマチ医療について考える機会を作りたいと思っています。同時にまた、新潟のリウマチセンターを全国に向けてさらにアピールしていきたいと思いますので、その節は是非、皆さまのご協力をお願いいたします。

 

今、私たちのリウマチセンターは、コロナ渦をはじめとしてさまざまな困難を乗り越えて、さらに変化していくステージにあります。瀬波病院時代から40年にわたって新潟県のリウマチ専門病院が、次の世代に引き継がれていくために、皆さん一人一人の力を集結して、県内に留まらず日本国、さらに世界レベルで、一歩先を見据えた親切で優しいリウマチ医療の実践と啓発活動に努めて参りたいと考えております。

 

まずは健康に留意して、皆で一緒に頑張りましょう!

そして、1日でもはやく皆さんとノミニケーションできる日がくることを祈っております。

 

以上、私からの新年の挨拶とさせていただきます。

令和4年度 卒後2年目研修

4C病棟です。

12月14日に卒2研修(新卒2年目の看護師が受講する研修)ケースレポートの発表がありました。

「転倒リスクが高い患者さんへの援助」と「自宅退院を目指した介護指導」についての発表でした。

 

「転ばない、大丈夫。」と言われる患者さんも、慣れない環境や手術の影響で転倒することがあります。今回の症例は、ご自宅でも何回か転ばれている転倒リスクの高い患者さんでした。

他職種と情報共有し、患者さんの状態に合わせたケアを行い、手術後も転倒せずに退院することができました。

患者さんが安全に安心して療養生活が送れるように関わることの大切さを改めて感じました。

 

自宅退院を目指した介護指導では、患者さんの「そのひとらしさ」とは何かを考え、ご家族と共に自宅退院に向け取り組むことができた症例でした。

患者さんが、ご自宅でうれしそうに過ごす姿が思い浮かぶ発表でした。

患者さん一人ひとりが大切にしているものは何かを捉え、寄り添う看護をこれからもしていきたいと感じました。

 

今回の研修では、「看護過程を踏まえた個別的ケアが実践できる」を目標に取組んできました。支援してくれた先輩看護師からは、これまでの看護過程を振り返り、卒2の方への温かい言葉と、3年目に向けた激励の言葉をいただきました。悩んだり迷ったりしながらも、確実に成長している姿が感じられた発表会でした。

令和4年度 認知症研修

4C病棟です!

12月に入り、今年も残りわずかとなりました。

 

4C病棟では、11月25日に認知症の学習会を行いました。

学習会では、患者さんのお部屋にカレンダーや時計を置く、短い言葉で具体的にお伝えするなど、日頃から気を付けるポイントが伝えられました。

身体の痛みや脱水、便秘や睡眠不足など疾患や治療に伴う苦痛がきっかけに、認知症が悪化してしまうこともあります。患者さんの苦痛を取り除き、安心して過ごしてもらえるような関わりが大切だと感じました。

今回の学習会では、認知症の基礎知識や適切な支援・ケアの提供について学び、自身の看護ケアを再認識するよい機会となりました。

 

 

 

 

高齢化社会の日本では、認知症の方が今後も増加することが予想されます。

これからも引き続き知識を深め、患者さんが安心して入院生活が送れるようにしていきたいと思います。☺

回復期リハビリテーション通信

当病棟では、患者さんの日常生活動作の向上を目指し、リハビリで獲得した動作を、病棟でも維持できるように援助を行っています。

例えば、入院時歩行が難しく、介助で車椅子へ移乗している患者さんが、見守りで移乗できるようになり、更に歩行器や杖を使用した歩行等、自宅退院に向けた機能回復に努めています。

そこで、今回は看護師と一緒に頑張っている看護補助者の業務について一部紹介したいと思います。

 

 

 

勤務体制は、早番・日勤・遅番と3パターンとなっています。

その中の早番業務について紹介します。

 

AM6時30分業務開始です。患者さんに挨拶をしてカーテンを開けたり洗顔・排泄の介助を行っています。

また、ナースコールが鳴るとすぐに対応しています。

 

 

 

7時45分~8時が朝食です。時間までに看護師と協力してホールで食事をする患者さんを誘導します。

🌼ホールに出ることは、日常生活にメリハリがつきます。

🌼見守りのもと食事が摂れるので誤嚥防止になります。

🌼患者さんの希望を聞きながら食事前後のトイレ誘導も忘れません。

 

現在は感染予防として、ホールでの人数制限やアクリル板の設置等対策をしています。

 

 

10時頃、リハビリ以外の患者さんに声をかけホールまで誘導し水分補給を行います。水分補給が終わるとお部屋にお連れします。

患者さんと会話をすることで認知症予防にも貢献しています。

 

12時昼食です。昼食もホールでお食事です。患者さんを誘導します。

昼食が終わると口腔ケアの介助、下膳、患者さんをお部屋へお連れします。

そして、食後の後片付けです。

 

13時20分早番業務が終了です。

 

時間ごとに決められた業務はありますが、ナースコールへの対応も素早く助かっています。

時には、看護師より患者さんのことをわかっているな~と感じることも…

それでは、また次回の通信で(^^♪

第14回新潟県立リウマチセンター市民公開講座

はじめまして、患者サポートセンターです。

3年ぶりに11月12日(土)市民公開講座が開催されました。

コロナ禍のため初めて会場参加とライブ配信での開催となりました。

 

 

 

 

 

 

 

今までのように、対面での診察や相談を受けることはできませんでしたが、会場で参加した方々からは、直接話が聞けて良かったという声も聞かれました。また、オンライン配信にすることで県外を含め遠方からの参加もありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

4C病棟のデイルームでもサテライト形式として行い、入院中のリウマチ患者さんに視聴していただくことができました。

 

 

 

 

 

日本リウマチ友の会新潟支部からも事前質問募集のご協力や冊子等のご協力をいただきました。ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左から、島垣主任理学療法士、遠山主任作業療法士、髙村医師、伊藤副院長、石川院長、日本リウマチ財団登録 リウマチケア看護師の本田主任看護師、千野事務長

お疲れ様でした。

 

オンデマンド配信を12月18日まで行っています。当院のホームページ内の「病院からのお知らせ」2022.11.16 第14回市民公開講座オンデマンド配信のご案内より視聴することができます。

視聴期限が迫っていますが、この機会にぜひぜひご覧ください。

 

第50回日本関節病学会レポート 大会長挨拶

新潟県立リウマチセンター 院長 石川 肇

 

 

 

 

 

このたび、2022年10月21日(金)・22日(土)に朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンターにて第50回日本関節病学会を開催しました。いまだコロナ感染が完全に収束していない中で感染対策をしっかり施したうえで、3年ぶりの現地での開催となりました。幸い晴天に恵まれ、コロナ禍前よりもやや少なめでしたが、お陰さまで約330名と全国から多くの方々に参加いただき、無事終了することができました。これもひとえに会を盛り上げていただきました皆さまのご協力、ご支援の賜物と、厚く御礼申し上げます。

地元新潟のサッカーチームであるアルビレックス新潟のJ2リーグ優勝、6年ぶりのJ1復帰で活気づいているなかで、今回、本学会を開催できたこと、とても喜ばしく感じています。

今回は第50回という節目の学会で、テーマを~50年の歴史を踏まえて~Challenge the New Normal~としました。半世紀にわたり先人が作り上げてきた歴史を踏まえて、新しい常態の中での新しい学会様式へのチャレンジと未来に目を向けた斬新な発想に基づく研究へのチャレンジという2つの意味を掛けたテーマです。プログラムのメインには、第8回と第19回の会長でおられた山本純己先生から「わが国における関節リウマチマネジメントの歩みに学ぶ」のタイトルでご講演があり、トータルマネジメントの充実とレベルアップを勧めていただきました。また、各部位における人工関節の歴史について特別シンポジウムの中でその道を究めたエキスパートの先生方からのご講演がありました。股・膝関節の人工関節はほぼ完成されていますが、肩・肘・手・手指・足関節においては、より完成度の高い人工関節が求められており、今回のシンポジウムが新しいコンセプトとデザインを持ったインプラントが開発されていくうえでのヒントになればと考えています。特別講演では、日本独自の整形リウマチ医のスタイルとその魅力について、田中栄先生と中島康晴先生からご講演がありました。欧米と異なり日本の整形外科医は、運動器疾患について伝統的に外科的治療のみならず保存的治療にも長けています。とくにリウマチ性疾患においては、関節外科医は、内科医とタッグ体制、メディカルスタッフとの連携の中でタクトを振る指揮者になることが望まれています。

一般演題は123題で、教育研修講演、シンポジウムなどの指定演題を含め、全部で59セッション226演題の口演発表(ポスター発表なし)がありました。これまでは、パソコンに向かって話をしているばかりで、味気なくお互いが疎遠になってしまいがちでした。しかし今回は、お互いに向き合って活発に討論ができるようになり、学会全体の活気を取り戻すことができたように思います。また、全体懇親会では新潟の食材、お酒(大吟醸のみ)などを参加者に楽しんでもらうことができ、この上ない幸せを感じております。

リウマチ性疾患などの全身性の運動器疾患を診断し治療していくには、ひとつの関節のみを診ていくことだけでは不十分であり、関節全体を診ていくことが必要となります。これからも本学会が幅広く関節疾患を取り上げ、若手整形外科医のみならず医療スタッフの方々にとっても魅力ある学会に発展していくことを祈念しております。

(2022年10月31日記)

回復期リハビリ病棟です

回復期リハビリ病棟です

暑い日が続き、患者さんも汗を流しながらリハビリを頑張っています💦

 

回復期リハビリ病棟では、新たに仲間入りしたスタッフが早く病棟に慣れるように、様々な勉強会を企画しています。

 

勉強会の一部を紹介します。

1つ目は

「移乗、移動」

の学習会です。

毎年恒例のリハビリスタッフによる実演での移乗勉強会です!

重心を低く保ち、てこの原理を使うことで、患者さんに安心感を与え、介助する私たちは負担が最小限となるテクニックを学びました。

 

専門スタッフから指導してもらうことは、私たち看護師にとって、とても学びの多い時間となりました。

 

 

2つ目は

「診療報酬改定」

について医療事務スタッフからの勉強会です。

今年度、回復期リハビリ病棟の診療報酬改定がありました。

今回の改定では、「質の高いリハビリを提供し、実績を残す」ということに注目をおいた改定内容でした。

 

私たち看護師は、患者さんが病気やケガで失った運動機能を少しでも再獲得できるように日々介入しています。

今回の診療報酬改定を受け、退院後の生活を踏まえて日常生活動作を獲得していけるよう、より一層励まなければならないと学びました。

 

このように、回復期リハビリ病棟では看護師だけでなく、様々な医療スタッフが専門知識を共有し、より良い病棟を目指して取り組んでいます

これからも様々な医療スタッフと協力、連携して患者さんをサポートさせていただきます!

 

7月は毎年恒例の七夕の短冊を患者さんに書いてもらいました☆彡

皆様の願いが叶いますように~💛

骨粗鬆症研修

こんにちは!4C病棟です。

本格的に夏になり暑い日が続きますね☀

体調崩されていないですか?

 

先日、中園医師より職員向けに骨粗鬆症の研修がありました。

 

 

 

 

 

 

骨粗鬆症とは、骨強度の低下を特徴として、骨折のリスクが増大しやすくなる、骨格の疾患と定義されています。日本には約1,000万人以上の患者さんがいると言われており、高齢化に伴いその数は増加傾向にあります。

閉経や加齢に伴い発症するものを原発性骨粗鬆症、関節リウマチや副腎皮質ホルモン過剰など他の疾患が原因で発症するものを続発性骨粗鬆症と分類されます。

リウマチ患者さんは、関節の炎症や副腎皮質ホルモン(ステロイド)を服用している方が多いなどの理由で、骨が脆く骨折しやすいと言われています。

 

 

 

 

 

そのため、関節リウマチ患者における骨粗鬆症の治療として薬物療法のほかに、食事(カルシウム・ビタミンDの摂取、バランスの良い食事)、適度な運動をコツコツ続けることが骨折予防に繋がります。

 

研修の様子です☺

 

 

 

 

 

 

 

まだまだ暑い日が続きますが、体調管理に気を付けてお過ごしください。

5月の外来です!

リウマチ外来です。

 

ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?

暑いゴールデンウィークでしたね。

病院の敷地内にはたくさんのお花が咲き始めています🌼

 

 

 

 

 

そろそろジメジメした梅雨☔がやってきます。

ゴールデンウィーク中「梅雨前に伸びた草をむしっておかなくちゃ」なんて草むしり、庭いじりに精を出した方。

畑仕事に精を出した方。

山菜採りがお好きな方も多い事でしょう。

(私は・・・頂いた(できたら、すでに茹でてから頂いた)「こごみ」をマヨネーズ醤油で食べるのが大好きです☺)

良い季節になりましたね。

しかし!『梅雨』時季はリウマチ、膠原病の患者さんにとって体調の崩しやすい季節です。

痛みが出たり・・・腫れたり・・・

 

梅雨時季にもご注意していただきたいことがあります。

それは・・・『脱水』です!

もちろん1年を通してご注意いただきたいのですが、夏本番の前のこの時季にもご注意ください。

お薬の中には腎機能に影響するものもたくさんあります。『脱水』は腎機能を悪化させ、副作用を増悪させる危険があるのです。

ぜひ、水やお茶で水分補給をしてください☺

甘~いジュース、砂糖、ミルクたっぷりのコーヒーでは水分補給になりませんよ!!

 

食欲がなくなることもあるかもしれませんが、漬物でお茶漬けばかりにならないように、栄養もしっかり摂ってほしいと思います。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

3月のリウマチ外来です。

リウマチ外来です。

 

3月は卒業のシーズンですね。

とは言え・・・

まだまだ、寒い日が続いています。

新潟に住んでいると、冬の雪かきからは免れられません⛄

手が痛くなるほど、雪かきをした方もいるでしょう。

使いすぎ、頑張りすぎる事をオーバーユースと言います。

頑張りすぎた時には、しっかりと休む事が一番!

でも、家事や子育て、仕事で簡単には休めない方も多いはず。

痛み止め、湿布をうまく使って、休めるときにはしっかりと休んでください。

それでも、痛みや腫れが続く時は・・・外来に相談してください。

 

春🌸暖かくなるのはもうすぐです。

入園、入学、就職!

新生活、楽しみですね。

でも、注意すべきはストレス。知らず知らずにストレスが溜まっている事もあります。

ストレスは万病のもと。

病気の症状を悪化させてしまうこともあるので要注意です。

コロナ禍の今・・・家族といえども、外食したり遊びに行ったりは難しいですが、時々は自分の心とも向き合って、ストレスを溜めないようにしたいものです。

 

暖かくなったら、畑仕事をしたいと思っている方も多いでしょう。

長時間の中腰、草むしりなど、同じ動作の繰り返し、同じ姿勢は症状の悪化をまねきかねません。

涼しい時間に、休憩を取りながら、短時間ずつ作業ができるようにしてくださいね。